2009/7
14

気がつけばもう7月も半ばにさしかかろうとしています。忙しかったです。てなわけで、まとめて日記です。

6月20日~7月5日
小池さんのアシスタントで調布のワークショップをやっておりました。昼の14時から夜の10時までそりゃあもう手加減なしにびっしりです。28名という大所帯でしたが、経験者(プロの役者さんや歌手の方)も混じっていたので、作品としてはけっこうクオリティの高いものになったのではないかと思っています。年齢層も20代~60代までと幅広く、いろんな人間模様が見えてきておもしろいです。素敵な写真でもアップしたかったのですが、写真どころではなく、もう日々の雑務に追われる日々でした。市民相手とは思えぬ小池さんの厳しい要求を伝える私もなんだか心が痛い。でも人間の可能性の大きさには驚かされます。人間は限界を決めなければもっともっといろんなことができるのではないかと思えてきます。そして身体を使うことの重要さですね。みんなすごくしんどいはずなのに、生き生きとしてきます。怪我をした人もいましたが、スピリチュアルなエネルギーは自然治癒力を高めているようにも思えます。今思っても心が熱いです。
私自身も相当みんなからエネルギーをもらいました。なんだか未だ熱冷めやらずです。

7月8日~10日
Berena Bertrand(パリオペラ座バレエ教師)の方の8歳~13歳までのバレエの指導法のワークショップに行ってきました。レッスン内容そのものはそんなに変わったものではありませんが、その徹底したバレエ教育には「さすが、世界のオペラ座」と思わせるものがあります。なんでもそうですが、表現していくための身体づくりには時間がかかるものです。速成栽培なんかできっこないということにあらためて気づかされます。持って生まれた資質はもちろんのことその資質を育てていくための知性、感性あらゆるものがダンサーの資質として必要と考えられています。踊りがうまければいいというものではありません。「8歳からこれだけの人格を要求されるのか~」と思うとプロとはなんぞやと日本の甘い現状に考えさせられるものがあります。
しかし、日本のバレエ教室の現状でこれを実践するのはとうてい無理。ならば、どんな方法があるのだろう。教師も考えねばなりません。黙々と行われるバーレッスンはまさしく己と向き合う行為です。なんか座禅に近いようなスピリチュアルなものを感じました。やはり身体は疲れてきてからが勝負なのです。頭でどうこうしようと考えているうちはだめなのです。これは調布のワークショップでも体感していることです。やっぱりこれが表現の実は基本なんだよなあとあらためて思いました。

7月11日
五反田ソニックでppnという若い子たちのイベントに私と松島さんで踊ってきました。なんだか私たち2人だけおじさんとおばさんなので、場違いな気もしましたがけっこう楽しんじゃいました。
私たちのほかにも20代の子達のグループが4組でていました。場違いな2人だけにプロの演技を見せにゃあいかんとは思いましたが、気負ってもできることは同じなので。いい舞台の基本は力を抜くことです。
曲を2曲だけきめて、後は即興です。松島さんとは20年も一緒にやってきていますが、実は2人だけで舞台にたったことはほとんどないのです。でも、さすがに共有している時間が長いのでお互いの感性は響きあえるところが多々あります。「力を抜いて、ハイな時間を生み出す」私の中ではそんなことがテーマでした。なんだか幽体離脱しているような気分でした。そして、驚くほど評判が良かったのにも驚きました。うちの制作をやっている祥子ちゃんから「劇場に足を運んだことのないような若い子に本当の舞台を見せたいんです!」という要望に答えられたのかなあと思うと満足です。ボランティア出演でしたが、とても充実した時間でした。そして、松島さん一緒に踊ってくれて本当にありがとう。白井は松島さんと踊るのが大好きです。

7月12日
小池さんのアシスタントで高校演劇連盟が主催する高校の演劇部の人にむけたワークショップのアシスタントで王子まで行ってまいりました。ここでも再び感じることの大切さを思いました。最初顧問の先生方から「高校生の集中力はせいぜい15分かなあ」などと聞かされていたので、「なんじゃあ、そりゃあ!!」とたいそう驚きました。ワークショップの時間は4時間です。不安はつのるばかりです。
でもうちの演出家にそんなものああ通用しません。4時間の間にとった休憩は2回だけです。集中力とはなんぞやということなんですよね。でも集中力のない人間が舞台になんて立てるわけがないのです。考えながら舞台に立ってはいけないのです。
ここでも人の底力を引き出すということがかぎになってきます。それはもう忍耐です。待つ作業なのです。でもこちらの真剣には高校生だってくらいついてきます。
スロームーブメントのワークショップで最後は25分ぐらいの作品になりました。みんなすっきりとしたきれいな顔をしてたっていました。確実に何かをつかんだ(感じた?)顔をしています。高校生は子どもであり、子どもではないのです。人間は素晴らしい可能性を持っています。テクニカルなワークショップではないので、これを再現させることは難しいことです。でも人を感動させるのは人です。表現の基礎はまさしくこれです。そして、プロになろうと思ったときに初めてテクニックが必要になってくるのではないでしょうか。
テクニックがあるからプロになれるわけではないのです。

そんなこんなで、6月末から今日まであらゆる側面で表現について考えました。いや、考えさせられました。すごく密な時間だったので、あっという間に過ぎてしまいました。私はこの感動をいつまで持続させられるのだろう。日々生まれ変わるような気持ちですごしてみたいものだと思ったりします。そんなことをぼんやり考えている火曜日の午後でした。

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